卒論 ~自分探しの旅~

「こじらせ神」としての遺書

満員電車に揺られながら

高校時代の話をしよう。とはいっても私はついこの間まで高校生だったわけで、つまりはたったの3年と2ヶ月程度前の回想ということになるのだが―あの頃の私は今よりも未熟で、幼くて、純粋だった……ように思う。そうして当時の私が体験した数々の出来事は、もぎたての果実にかぶりついたように、新鮮で、甘くて―苦かった。そう、今思えばかつての思い出は全て苦いものばかりである。もちろん、甘くて幸せな時間というものも存在は。だが、私の幸せには常に影がつきまとい、最終的には全てを飲み込む闇となって消えてしまった。残るのは喪失感と虚しさのみ。ひたすら過去の輝かしい時間に手を伸ばしても、そこには虚無があるだけだ。

それでも、私が味わい体験した時間はかつての瑞々しさを失いながらも、“記憶”という形で心のどこかに眠っている。そしてこの話は、その記憶を文字という形で呼び覚まし、あわよくば誰かのお笑い種にしてしまおうという、ひとつの自虐物語なのである。書き手の私が座れない電車の中で、ふとした思いつきで書き始めた拙い話なのであるから、せいぜい暇つぶし程度に目を通してくれると嬉しい。

……と、ここまでが前置きになるのだが、だらだらと思いつくままに書き綴った中身のない内容なので読み飛ばしてくれて全然構わない。

追記。この話は当時……と言っても高校2年生の冬に自分のこれまでを振り返って書いた日記(『人間関係 高校編』と名付けてある)を参考にしつつ書いている。家に帰ってから、そうした方が書きやすいと思い出したからだ。そんなことより早く本文進めろ私。

季節は春。当時優等生だった私は、市内の公立高校の中で一番偏差値が高い学校を選び、難なく合格した。

入学して数日、私は今の私が形成されるにあたって大きな影響を及ぼした一人の人物と親友になった。親友、と呼ぶべきではないのかもしれないが、少なくとも私はそう思っていたし、そう書いた方が文章が書きやすいので、親友と書かせていただくことにする。

『入学してしばらくしたある日、図書館オリエンテーションの時に、文芸部の部誌を読んでいたクラスメイトの女子と話した。同じ部活に入ろうとしていたことや、趣味が似ていることで打ち解け、移動教室の時などに誘われるようになった。(中略)私と彼女は自身のことを語り合ううちに、互いのことを深く理解していった。』(『人間関係 高校編』より)

『彼女は、自分の身の周りの人間(主にクラスの男子、友人)を登場人物に妄想をするのが好きだった。正直、最初の頃はよく分からなかった。昼休みの話題やLINEのトークに、顔と名前が一致していないクラスメイトの男子を表す隠語が出てくるたび、内心困惑していた。でも、そのうち私も彼女の遊びに楽しみを覚え、LINEでも自分から妄想した内容を送ったり、身の回りの人間をキャラクターにして書いた小説を送り合ったりしていた。』(『人間関係 高校編』より)

……この後日記には、私とその親友がやり取りしていた小説やそれに出てくる登場人物(実在の人物をデフォルメしたキャラクターである)について詳しく書かれていた。それだけで6ページほど使っている。詳しく書きたいのも山々であるが、全て書くとこの話に登場する人物に見られたときに色々面倒だし、気になる人はよければTwitterでDMかリプでも送って欲しい。

そしてここまで日記を振り返りつつ文章を書いていて気づいた。この日記、登場人物の固有名詞が登場しすぎてまとめにくい。そして書いてある情報量が多い。多すぎる。書いてある出来事が細すぎて何を伝えれば良いか分からない。でもまぁこれはこれで読んでる分には面白いのかもしれない。ただ脈略がない。

……とりあえず、必要な情報だけをまとめると、次のようになる。

・新しい友達グループに入る

・親友が腐女子であることを知る

・親友の妄想癖を知る

・妄想で書いた小説のやりとりを始める

・一人の友人を信仰するようになる

etc...

……訳が分からないことであろう。実際、書いてる私も正直訳が分からなくて困惑している。しかし割と結構話の要っぽい話も含まれてたりする。まぁこのブログを書くにあたっては省略してもいい内容だとは思う。

『夏休み中のある日、私は彼氏と夏祭りに行けなくなって死にたいと酷く落ち込んでいた親友から、彼女の深く敬愛する人物「かすうさぎ(メンヘラ神)」についての話を聞く。

後々自分で調べたところ、メンヘラ神は名前の通りメンヘラで、リストカットやOD(オーバードーズ)を繰り返し、そんな自分をTwitterやブログで笑いのコンテンツとして公開している人だった。そして、2013年11月8日、元彼からLINEで飛び降りろと言われたことをきっかけに飛び降り自殺をしたらしい。23歳だった。彼女はメンヘラ神を信仰するあまり、死にたいと思うことすらあったらしい。彼女の性格はメンヘラ神が元になっている所もあるのではないかと、今になって思う。』(『人間関係 高校編』より)

ーこれが、私とメンヘラ神との出会いだった。

……To be continued